SEが長時間労働を強いられる仕組みー現役SEの暴露
こんにちは、ふくふくです。
この納期が適正な作業期間でない場合に、長時間労働環境が生まれます。
ではなぜ、SEは無茶な納期を言い渡されるのでしょうか?
普通に考えたら、契約を結ぶ際に、開発者が1日8時間勤務(法定労働時間)で間に合うように納期を決めれば、エンジニアは適正な労働時間で作業を終えることが出来るはずです。
しかし、現状はそう簡単ではありません。
なぜなら、適正な納期を設定できない理由が3つあります。
- 受注競争
- 顧客の理不尽な要望変更
- 納期見積もりミス
一つずつ説明していきます。
受注競争(コンペ)
まず、最も大きな理由は『受注競争(コンペ)』です。
先程申し上げた通り、SIerは請負企業です。
つまり受注を勝ち取らなければ、仕事がなくなってしまうわけでが、そのためには発注する側の企業に選んでもらわなければいけません。
受注を勝ち取るためには、ライバルとの受注競争に勝たなくてはなりません。発注企業はが当然条件が一番良い企業を選びますよね。例えばより早く、より安く、より安定的なシステムを作ってくれる企業を選ぶけです。
実績がある企業であれば、ネームバリューがあるので、多少料金を高く提示したり、遅い納期を提示したとしても、受注を勝ち取ることができますが、そうではない企業の場合はどうでしょう。
安定性は実績ある企業に勝るのが難しいため、結局、受注価格を下げるか、納期を早めるかと言った選択になりがちです。
仮に発注元がとても有名な企業なら、受注競争はより熾烈になります。なぜなら、受注を勝ち取とる事ができれば、次回コンペ時から「うちの会社は、〇〇企業から受注しました。もしくは、〇〇企業のシステムをつくりました」という非常に強いセールスポイントになるからです。
もしかしたら、指名発注なんかも増えたりして、大飛躍のチャンスが待っているかもしれないのです。なので、多少の不利益は投資と考え、安い料金、早い納期を提示して、受注するケースもあります。
また、上に挙げたよう前向きな理由ではなく、生きるのに必死な企業の場合は、売り上げがゼロよりはいいという比較軸で、いくら条件が悪かろうが、受注する企業もあるでしょう。
顧客の理不尽な要望変更
次に、『顧客の理不尽な要望変更』です。
SIerは受注を受ける際に要件定義を行います。これは、実際の開発作業開始前に納品するシステムに関する双方の合意を取っておく過程です。完成イメージを見せたり、システムに組み込む機能などを伝えて合意を取ります。
実際開発が始まると、定期的に発注元に製品を見せたりするのですが、「発注元が突然思ってたのと違う!」と言ってくることがあります。(日常茶飯事です💦)
この時、要求の変更に伴い納期と見積もりを再調整し合意を取り直せれば良いのですが、大人の事情でそう出来ない場合は、納期はそのままなのに、作業が増えるわけですから、勤務時間がじわじわと長くなっていくわけです。
見積もりミス
最後に『見積もりミス』です。
これは営業マンが、何も考えずに、顧客の前で、「この日までに出来ます」と言って受注を受け、開発チームに「なんとかお願いね!」と無茶ぶりをしてくるケースが多いです。信じられませんが、営業は受注実績が評価につながるので、時にむちゃな要求でも受注してくる場合があります。
あとは、シンプルに作業期間見積もりを任されたエンジニアの経験不足で、実際より短く見積もってしまうケースです。
どちらにしろ、このよう状態は時間が経つにつれ、顧客に納期までに納品出来ないとバレていき、営業マンは顧客から攻められ、開発者は長時間勤務を強いられるという、状態になっていきます。
会社では、このような案件(受注プロジェクト)を「炎上案件」と呼ばれています。
こうなると、夜10時を過ぎる残業が平気で1ヶ月以上続きます。休みも自由に取れず、チームメンバーやプロジェクト責任者のイライラが募っていき、精神的肉体的疲労の継続という、とても危険な状態になります。
まとめ
SEが長時間労働を強いられる仕組みについてお話しました。
Slerは構造的に長時間労働が発生しやすい環境であることは否めないと思います。
僕は幸い定時で帰れていますが、隣の部署は夜10時頃まで残って仕事をしています。僕もいつ炎上案件に異動になるかビクビクしています💦
そもそもサラリーマン生活が性に合わない僕なので、もし異動になったら、すぐ辞めれるようにと色々準備はしていますが、なるべく面倒なことにならないようにだけ祈っています。