「直感」と「合理的判断」について
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ふくふくのつぶやきコーナー
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このコーナーは、僕のふとした考えをつぶやくコーナーです。
特に結論はないですが、
よかったら暇つぶしにどうぞ。
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こんにちは ふくふくです。
うどんを食べにいく途中、ふと「直感」について考ました。
google先生に依存気味な僕は、少し考えた後、検索してみました。
「直感力を磨く方法...」
「直感は正しいのか」
「直感を侮ってはいけない」
といった内容がほとんどでした。
残念ながら内容にどうもしっくりきませんでした。
「直感力? そもそも鍛えるものなの?」
「直感の正しさと言うけど、何をもって正しいと言ってるの?」
こんな疑問が湧いてきてしまいました。
記事の内容について物申したい訳ではありません。
皆それぞれの考え方がありますから。
ただ、僕は「直感」に頼ってきた人間です。
性格診断でも、INTJと出ました。
これは、左から2番目の英文字「N」は直感型を意味しています。
普段から直感については意識していたので、
僕が思う「直感」についてつぶやきたいと思った次第です。
まず、「直感」という言葉を改て考えてみたくなりました。
「直感」という言葉について考えた時、その対となる言葉は「合理的判断」となると思いました。
つまり、直感は「ひらめき」という言葉にも代替されるように、なぜその考えに至ったのかが説明出来ません。
また、その直感に従って行動した時、どんな最後が待っているのかの論理的予測も立てることが出来ません。
一方、「合理的判断」の場合は、結論となる考えに至った経緯を言葉でしっかりと説明出来ます。
また「合理的判断」は論理的な抜け漏れもなく、確かなる事実や根拠を元に、論理を組み立てた末に出した答えです。
ここで、直感と合理的判断がどの場面を基準に優劣が比較されているかみてみましょう。
いずれの方法も、何かの判断を下す場合に使われます。
しかし、この二つの方法は答えの出かたがまるで違うように思えます。
合理的判断の場合は、はじめに明確な問いが必ずあります。
「目の前にあるこの服を買うべきか?」
「新車を買うべきか?」
「この人と結婚するべきか?」
などといった問いです。
一方、直感の場合はどうでしょう?
明確な問いがあるでしょうか?
いいえ。
直感の場合は、「これだ!」です。
いきなり答えが飛び出します。
問い自体がないと言ったら嘘になるかもしれません。
恐らく問いは潜在的なものでしょう。
服を選ぶ場合は、どこかで「服が欲しい」という欲求があり、
その欲求に対して脳が無意識のうちに詮索を始めていると思われるからです。
ただ、「合理的判断」のように、明確な問いではありません。
ちょっと話がそれてしまったようなので、話を元に戻します。
Googleでの検索結果内容を見ると、いろんな記事がありますが、主だった主張は、こうだと思いました。
「直感も正しい場合がある」
「直感も」というのはもちろん、「合理的判断と比べて」という意味です。
この主張に僕は疑問を持ったわけです。
この言葉を裏返せば、「合理的判断は常に正しい」ということになります。
確かに、ビジネスなど多くの人々が関わる仕事では、この合理的判断というものが求められます。
僕もサラリーマンをやっているので、このことはもはや常識化しています。
上司に何かを報告すると、必ず根拠について聞かれますし、考えのプロセスも確認されます。
ただ、合理的判断は本当に常に正しいのでしょうか。
そもそも、「正しい」とは何をさしていうのでしょうか。
短期的に見れば、思った通りの結果が出れば「正しい」それ以外は「正しくない」という判断だと思います。
僕はあまり好きな表現ではありませんが、世間的には「成功」と「失敗」ということになるでしょう。
ただ、長期的にみた時にどうでしょう。
「成功は失敗の母」と言った言葉がありますが、これは長期的な視野で物事を捉えた場合に、失敗がなければ成功出来ないことを意味した言葉です。
つまり、時間枠の切り取り型によって「成功」と「失敗」が単独で存在する場合もあれば、混在する場合もあると言うことです。
「正しい」「正しくない」も長期的に見れば、
「正しい」と思われた結果が、時間の経過につれて、正しくなくなったり、
逆に、「正しくない」と思われた結果が、長い目でみた時に正しくなったり
するものだと思います。
例えば、ちょっと昔の話に戻りますが、東芝の不正会計事件がありました。
当時、東芝は主力収入源だった電化製品の売行きが低下し、市場も厳しい状況でした。
当時の会社のトップは原子力発電に力を入れることを決意し、多額の資金を投じてアメリカの原子力会社を買収しました。
しかし、思いもよらぬ出来ことが起こりました。
それは東日本大震災です。
日本中が多くの悲しみと痛みに包まれました。
大震災は原子力発電の問題も浮き彫りにしました。
日本だけでなく世界中の原子力発電の需要が減り、東芝は多額の借金を抱えることとなりました。
そして、その借金を隠してしまったため、罪に問われたのでした。
ここで言いたいことは、「正しい」と思われた結果が長期的にみた場合に正しくなるなるケースがあるということです。
東日本大震災がなければ、東芝の経営トップが下した「合理的判断」は正しかったのかもしれません。
ただ、結果的には...少なくとも現時点では「正しくない」結果、つまり望んでいた結果以外の結末になりました。
逆に「正しくない」と思われた結果が、長い目でみた時に正しくなったりするケースもあると思います。
例えば、僕の場合は、経済的な理由で志望大学に進学することが出来ませんでした。
僕は、お金を借りてでも志望大学に行けば良かったのではないかと後悔していました。
当時の僕は、「正しくない」選択をしたと思っていました。
だから大学生活もあまり楽しむことが出来ませんでした。
でも、今振り返って考えて見ると、その大学で、今につながる素敵な出会いが出来たわけです。
他の大学に行ったら、その人とは出会うことが出来なかったでしょう。
僕にとってはその人が一生の宝だと思っています。
話が長くなってごめんなさい。
僕が言いたかったことは、合理的判断も「正しくない」結果になり得るということです。
もちろん、このことは直感についても同じことが言えます。
結局、未来は何が起こるか分からない。
だから、いくら合理的に判断したと思っても、それが正しいとは言い切れない。
それでも、ビジネスの現場で合理的判断が求められるのは、「客観的な根拠のほうが皆を説得しやすいから」だと僕は思っています。
会社には説明責任というものがあって、判断を説明する必要があります。
特にお金を投資している投資家・融資を受けている銀行・経営層などには判断の根拠を求められた際にそれを説明する義務が生じる場合があります。
その際に、「直感です。結論に至ったプロセスは説明出来ないけど、とにかくこれが正しいと思ってます」とは言えない事情があります。
ベンチャー企業が比較的早くサービスを世に出すことが出来るのは、この事情が深く関連しています。
僕の会社は大企業ではありませんが、それでも新しいサービスを始めるには4重の壁があります。
つまり、承認を取り付けるには4段階の審査を全て突破する必要があるということです。
各承認段階において、新しく始めるサービスの市場分析・収支予測について相手を説得させなければなりません。
でも、本音は「やってみなきゃ分からないだろ!まだこの世にないサービスなんだから!僕はこれが正しいと思う!」です。
でも、それではその企画は採用されませんし、予算ももらえず、結果的に何も動きません。
不自由に感じますが、仕方ありません。
その企画を採用する判断を下した人も、上の人に採用した理由を説明する必要があるのです。
ベンチャーみたいに、「夢を共にする仲間たちと新しいことに挑戦してみたい!」と言った風土ではありません。
大企業も昔はベンチャーだったわけですが、会社が大きくなるにつれ、だんだん守りに入るのですね。
最後になります。
「直感」か「合理的判断」か。
ホントはこの二つを比べることに意味はないと思っています。
大事なことは、後悔しない判断をすることだと思っています。
少なくともプライベートな人生においては...
僕は、アップルの創業者である故スティーブ・ジョブスの言葉が心に残っています。
「Follow your heart」
「心に従え」という意味ですね。
憧れる言葉です。
彼はこんなことも言っていました。
「毎日私は鏡の前で自分に問いかける。『今日これからやろうとしていることは、本当にやりたいことなのか?』この問いに対して『No』が何日も続く場合は、今すぐ別のことをしたほうがいい」
これは、ひらめきのような「直感」でも、考え抜いた「合理的判断」でもありません。
ただ、後悔しない生き方の選択方法だと思います。
「直感も不安」で、「合理的判断も外れることがある」となれば、
「正しい」や「正しくない」は問題の本質ではなくて、
後悔しない判断をすることが大事ということだと思います。
自分に向けた問いかけです。
「老後の為にお金が必要だから、今は旅行にも行かず節約して貯金する」
「家と家族を守るため、嫌な会社に通い続ける」
「週末は友達や家族との約束を守るために、趣味を我慢する」
「うまく行かないかもしれないから、もっと準備してからにしよう」
合理的な判断に見えますが、本当に後悔しないでしょうか...